右派弁護士の備忘録

世界文化に対する過去の日本人の態度は、自主的にして而も包容的であつた。我等が世界に貢献することは、たゞ日本人たるの道を弥々発揮することによつてのみなされる。国民は、国家の大本としての不易な国体と、古今に一貫し中外に施して悖らざる皇国の道とによつて、維れ新たなる日本を益々生成発展せしめ、以て弥々天壌無窮の皇運を扶翼し奉らねばならぬ。これ、我等国民の使命である。

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要件事実の総論的なこと

参考文献:旧問研1-20頁

●訴訟物
・訴訟物=一定の権利又は法律関係
・旧訴訟物理論:訴訟物=実体法上の個々の請求権

●訴訟物の特定
・物権=①主体+②内容(①及び②が同一の物権は存在し得ない)
・債権=①主体+②内容+③発生原因(①及び②が同一の債権が存在し得る)
(③:契約の場合:誰と誰の間の、何時の、どのような契約か(契約に関する5W1H)

●要件事実
・定義=一定の法律効果(権利の発生・障害・消滅・阻止)を発生させる要件に該当する具体的事実
・旧問研6頁に「すなわち、ある権利について、その権利の発生要件に該当する事実の存在が認められた場合は、権利の発生の障害となる事実、権利を消滅させる事実、又は権利の行使を阻止する事実が認められない限り、現に(厳密には事実審の口頭弁論終結時において)、その権利が存在し、行使できるものと認識することになります。」とある。これは、すでに述べてきた「権利関係不変の公理」のことである。

●要件事実の機能
 「立証の対象の核心」(=「一定の法律効果」を「発生」させるために「必要十分」な「最小限」の「事実」)を明確にすることによって、民事訴訟において問題解決のためのキーポイントとする。

●略号
・訴訟物 :  Stg
・請求原因 : Kg
・抗弁 :    E
・再抗弁 :   R
・再々抗弁 : D
・再々々抗弁 :T
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要件事実のお勉強4

参考文献:30講の総論部分

●相手方の「応訴態度」による要件事実の変化(30講8頁以下)
 相手方の応訴態度のうち、事実については、「自白」や「否認」が存在する。これ以外に、「権利自白」が存在する。権利自白がなされた場合、その時点での特定人(原告又はその前主等)の所有権の取得原因事実について、これを主張・立証する必要はないとされる(権利自白の効果については、興味があるので後に考察したい。)。また、占有の「態様」についても、事実概念ではあるが極めて抽象度が高いので、被告が争っていない場合(自白)、その「態様」を主張・立証する必要はないとされる。
 これ等一連の相手方の応訴態度による要件事実の変化は、原告の主張・立証の困難性(特に、権利自白)及び被告の防御権の保障(争っていない以上、詳細に主張・立証させる意味がない)等の観点からの修正と考察されよう。特に、権利自白については、原則通り考えると、例えば自宅の所有権についていえば、

①請負業者が建物を作った事実(請負の論点である材料供給者帰属説)
②請負業者がA(注文者)に自宅を引き渡した事実(同上の説)
③A→B売買
④B→C売買
⑤C→原告売買

等のように、主張・立証が極めて大変となる。そのため、修正の必要があるのである。

●要件事実の特定性
 相手方の「防御」活動の利益を実質的に保障するため、要件事実は、「特定」されており、また、「具体」的でなければならない。「特定」は通常「時的因子」によって行われる(その他、主体・客体・態様等)。「特定」は他の要件事実との区別(複数の売買契約を締結している場合、どの売買契約ですか?)、「具体」化は相手方の防御の利益(弁済の提供をしたといっているけど、現実の提供か口頭の提供か、債権者の面前で受け取りを求めたのかそれとも債権者宅に行ったにすぎないのか、を明らかにしないと、争いようがない。)を主眼にしていると思われる。

●法律上の主張
 訴状では、事実上の主張以外にも、法律上の主張がなされる。例えば、①よって書きや②権利抗弁(ハルカ「カナがチアキに催告をするまでは保証債務の弁済に応じない」)等である。

●所有権喪失の抗弁の前提理論
 「権利関係不変の公理」より、過去のある時点における所有権の取得が認められた場合、その後の権利の変動が認められない限り、基準時においては所有権が存在するものと判断される結果となる。このように、所有権喪失の抗弁は、上記公理を前提としている。

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要件事実のお勉強3

参考文献:30講の総論部分

●前回の補足
 前回述べたように、権利を発生させる事実の存在が確認できれば、「権利の発生」のみならず、その後の「権利の存続」(反対に言えば、「権利の不消滅」)が擬制される(権利関係不変の公理)。もっと正確に言うと、「ある時点」(事実審の口頭弁論終結前の事実)での「権利の発生」が認められると、「事実審の口頭弁論終結時」(以下、「基準時」という。)までは、その「権利が消滅していない」ものと取り扱われるのである。そして、基準時の権利の存否が判断され、確定すればこの判断に既判力が生じる。権利の消滅等についても、この権利関係不変の公理は妥当する。

●攻撃防御方法の配列
 民事訴訟では、この権利関係不変の公理を前提に、まず原告が権利の発生を規定する要件に該当する事実を主張・立証し、その事実(これを、請求原因事実という。)の存在が確認されると「一応」権利は発生したものと取り扱われる。これに対し、被告が権利の発生の阻止を規定する要件に該当する事実(これを、抗弁事実という。)を主張・立証しその事実の存在が確認されると、「一応」発生したものと取り扱われていた権利は「実は」発生していなかったものと取り扱われる。権利消滅規定等も同様である。
 このようにして、「請求原因→抗弁→再抗弁→…」という、「攻撃防御方法の配列」が決定される。この配列を前提に、原告・被告は、民事訴訟で主張・立証活動を行うのである。従って、この配列が確定していなければ、原告・被告は、安心して十分な主張・立証活動を行うことができなくなるのである。そのため、この確定を目的とする学問である「要件事実論」が、必要とされるのである。

●「要件事実」と「主要事実」
 実務・研修所は、要件事実と主要事実を同一の概念とする。しかし、厳密には違う。例えば、民法555条について、

要件事実=売買契約の締結(財産権移転と代金支払いの約束)という事実
主要事実=「レナは、圭一に対し、昭和58年6月1日、鉈を1000円で売った」という事実(5W1Hで表現)

とされる。もっとも、学問上、この区別にあまり意味があるとは思えないから、結局同一概念として扱う。

●要件事実最小限の原則
 意味のない事実は、要件事実とならない。民事訴訟では、要件事実(必要最小限の事実)とそれ以外の事実(間接事実等)を明確に区別することが肝要である。

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要件事実のお勉強2

参考文献:30講の総論部分

●民事訴訟で何をしているのか
 民事訴訟では、権利(正確には権利義務または法律関係)の存否を判断している(確認という意味ではない。)。しかし、権利は目に見えない。権利は人間の観念の産物だからである。そのため、事実を使って権利を見えるようにしよう、ということになる。例えば、ある事実の存否が確認できれば、ある権利は存在している等と判断することになる。

●所謂「近代法」の構造
 近代法は、「要件」と「効果」から構成されている。要件の中に十分な事実を放り込むと、効果から権利が飛び出してくる。自動販売機である。

証拠を提出して調べる

要件に該当する事実の存否を判断する

十分な要件に該当する事実の存在が確認できる

効果の発生を確認する

こんな感じである。

●要件事実の振り分け
 ここで、要件に該当する事実はすべて原告側が主張・立証しなければならない、とはなっていない(なお、主張責任と立証責任は一致するものとして考える。)。例えば、所有権の存否を考える。今自分に所有権があるためには、どのような事実が必要なのだろうか。要件事実的発想を捨てて考えると、①所有権を取得した原因となる事実の存在及び②所有権を喪失する原因となる事実の不存在、ということになるのではなかろうか(私見)。
 しかし、原告は①と②の両方の事実を主張・立証しなければならないとは考えられていない。①だけ、というのが定説だろう。要するに、①の事実の存否だけで、権利の発生が認められているのである。②の事実の存否は、考えていない。

●権利関係不変の公理
 事実には、①権利を発生させる事実、②権利を消滅させる事実、③権利の発生を阻止する事実、④権利行使を一時的に阻止する事実がある。そして、権利行使が認められるには、①の事実が存在し、②から④の事実が存在しないことを主張・立証しなければならないとも思えるが、そうではなく、①の事実が存在することを主張・立証すれば、その後②から④の事実の存在が主張・立証されない限り、権利は「一応」発生したものとして扱われる(これを、権利関係不変の公理という。)。いつの時点か。これは、事実審の口頭弁論終結の時点である。

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要件事実のお勉強1

●要件事実論の意義(山本・契約xiii-xix参照)
 要件事実「論」とは、「一定の法律効果」(権利の発生・変更・消滅等)を発生させる「法律要件」を確定した上で、「それに該当する事実」に関する「主張・立証責任の所在」と当事者が提出すべき攻撃防御方法の配列(請求原因→抗弁→再抗弁→…)を確定することを目的とした議論をいう。
 要件事実と主要事実を区別する見解もあるが、実務・司法研修所の考え方はこれを同一視する。ここに、要件事実=主要事実(このブログでも、両者を混同して論じる。)とは、法規範の「法律要件」に該当する具体的事実をいう。

●要件事実論の存在意義
 では、何故、要件事実「論」なるものが存在するのか。それは、主張・立証責任の対象を明らかにするためである。例えば、売買契約に基づく代金支払請求をする場合で、履行期限が到来していないとき、要件事実「論」は、次のような主張・立証責任の分配を結論付ける(以下、通説に従う。)。

※請求原因(ニャル子が主張・立証責任を負う)
 ニャル子は、クー子に対し、平成○年○月○日、名状し難いバールのようなものを代金○円で売った。
※抗弁(クー子が主張・立証責任を負う。)
 ニャル子とクー子は、上記売買契約に際し、代金の支払期限を平成○年○月×日とすることを合意した。

 請求原因事実をニャル子とクー子ともに主張しなかった場合、裁判所はこの事実を判決の基礎とすることができない(残酷な弁論主義第1のテーゼ)。そうすると、結局、売買代金発生が認められず、ニャル子が損をする(権利の発生が否定される。)。これを、主張責任という。
 では、ニャル子が請求原因事実を主張したとしよう(クー子が主張しても同様である。弁論主義は当事者と裁判所の役割分担を決定するものでいずれの当事者が主張したかは重要でないからである。)。これに対し、クー子がこの事実を認めた場合(自白)、裁判所はこの事実を前提としなければならない、つまり、この事実が存在すると判断しなければならなくなる(残酷な弁論主義第2のテーゼ)。では、クー子がこの事実を否定した場合(否認)、どうなるか。この場合、ニャル子は、この事実を立証しなければならない(立証責任)。そして、裁判所は、この事実があるかないかについて「分からない」場合(ノンリケット)、「ない」と判断しなければならない(裁判拒否防止のため、ノンリケットの場合、事実は「ない」ものとして取り扱われる。)。

(個人的思考フロー)
裁判拒否の防止(裁判所には応答義務がある)

「分からない」場合は「ない」ことにする(事実が不存在と擬制)

「ない」ことにする場合、一方の当事者に不利益が及ぶ(権利が不発生等)

この不利益を当事者間に公平・公正に分配しよう(立証責任論)

立証責任論を前提に各当事者がどのような順序(請求原因→抗弁→再抗弁→…)で攻撃防御方法を提出すべきかを確定しよう(攻撃防御方法の配列)

●結局
要件事実論は、
①法律要件を確定し、
②①に該当する最小限(ミニマム)の具体的事実を確定し、
③②の主張・立証責任の分配を確定し、
④③を前提に当事者が提出すべき攻撃防御方法の配列を確定する、
学問ということです。

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