右派弁護士の備忘録

世界文化に対する過去の日本人の態度は、自主的にして而も包容的であつた。我等が世界に貢献することは、たゞ日本人たるの道を弥々発揮することによつてのみなされる。国民は、国家の大本としての不易な国体と、古今に一貫し中外に施して悖らざる皇国の道とによつて、維れ新たなる日本を益々生成発展せしめ、以て弥々天壌無窮の皇運を扶翼し奉らねばならぬ。これ、我等国民の使命である。

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復原改正の手順再論

南出理論によれば、帝国憲法8条に基づき、帝国議会を現在の国会で代替する、枢密顧問を現行の国務大臣で代替する、内容の緊急勅令を出していただき、帝国憲法を改正する。帝国憲法8条は、以下のとおり。


第8条
1 天皇ハ公共ノ安全ヲ保持シ又ハ其ノ災厄ヲ避クル為緊急ノ必要ニ由リ帝国議会閉会ノ場合ニ於テ法律ニ代ルヘキ勅令ヲ発ス
2 此ノ勅令ハ次ノ会期ニ於テ帝国議会ニ提出スヘシ若議会ニ於テ承諾セサルトキハ政府ハ将来ニ向テ其ノ効力ヲ失フコトヲ公布スヘシ


もっとも、緊急勅令が効力を有するためには、国務大臣の副署が必要である(帝国憲法55条2項)。帝国憲法55条は、以下のとおり。


第55条
1 国務各大臣ハ天皇ヲ輔弼シ其ノ責ニ任ス
2 凡テ法律勅令其ノ他国務ニ関ル詔勅ハ国務大臣ノ副署ヲ要ス


帝国憲法下において、国務大臣の任免は、「天皇ノ大権ニ属」する(清水澄「逐条帝国憲法講義」419頁)。ところがどっこい、占領憲法では、内閣総理大臣はともかく、その他の大臣は、内閣総理大臣が任命する。天皇は、「国務大臣…の任免…を認証する」に過ぎない(占領憲法7条5項)。従って、内閣総理大臣以外の大臣については、天皇の任命が必要である。占領憲法の条文は、以下のとおり。


第7条  天皇は、内閣の助言と承認により、国民のために、左の国事に関する行為を行ふ。

五  国務大臣及び法律の定めるその他の官吏の任免並びに全権委任状及び大使及び公使の信任状を認証すること。

第6条
天皇は、国会の指名に基いて、内閣総理大臣を任命する。

第68条
1 内閣総理大臣は、国務大臣を任命する。但し、その過半数は、国会議員の中から選ばれなければならない。
2 内閣総理大臣は、任意に国務大臣を罷免することができる。


さらにいえば、国務大臣の任命は「国務ニ関ル詔勅」にあたるから、「国務大臣ノ副署ヲ要ス」るはずである(帝国憲法55条2項)。とすれば、現在の内閣総理大臣の任命は、副署という要件を欠き、無効であることになる。

国務大臣の任命に副署が必要かについて、清水先生の著作には、「我ガ現行制度ニ於テハ公式令ニ依リ内閣総理大臣ノ任命ニ国務大臣ナキトキハ内大臣副署スルコトト為セリ此ノ場合ハ特ニ内大臣ヲシテ国務大臣ノ職務ヲ行ハシムルモノナリ」(前掲書・413頁)との記載があるが、①本来必要であるが、例外的に内大臣の副署で足りる場合があるという考えなのか、②下位法令に委ねられているという考えなのか、読み取れない。

この点、美濃部先生は、「任命の当時留任して居る国務大臣が一人でも有れば、その国務大臣が之に副署するを要するのであるが、若し内閣が総辞職を為し一人も留任して居る者が無いときには、已むを得ざる変例として、公式令には内大臣が之に副署すべきものとして居る…。但し実際には成るべく此の変例を避くる為に、内閣総辞職の場合でも、国務大臣の一人だけは後任の総理大臣任命せらるるまで免官を延ばし、その副署を以て後任の総理大臣の任命が行われた後に之を免官することを例として居る。」と述べておられる(美濃部達吉「逐条憲法精義」517-518頁)。

要するに、原則としては必要であるが、例外が認められる場合もある、ということであろう。占領軍に押し付けられたため、帝国憲法下の国務大臣はおろか内大臣さえ居ないという特殊状況にある現在、当然に例外を認めるべきであろう。現時点で国務大臣が不存在であれば、国務大臣を永久に任命できないというのは極めて不当である。まさに「已むを得ざる変例」として、その他の適切な手法を用いるべきである。「公式令」が内大臣の副署という例外を設けていたことに倣い、例外を設けるべきである。そして、帝国憲法の復原改正という大事業である以上、現在の内閣の全ての大臣の副署で代替することが望ましいだろう。

とすると、復原改正手続は、以下のとおりとなる。

①内閣総理大臣の任命(現在の内閣の全ての大臣の副署(55条後段の例外的措置))
※大命降下

②その他の国務大臣の任命(内閣総理大臣の副署(55条後段))

③緊急勅令(8条前段/全ての大臣の副署(55条後段))
…・枢密顧問を国務大臣で代替
 ・帝国議会を現在の国会で代替

④帝国議会の承諾(8条後段)

⑤帝国憲法の改正(枢密顧問の諮詢(56条)+帝国議会の付議(73条))
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